無料サポートと有料サポートにおける時間の使い方の違い

税理士として独立開業してから、単発サポートにも積極的に取り組んでいます。

分かり易いものとしては、税務相談などでしょうか。

そうした単発サポートのサービスには、有料と無料の場合があります。

提供する時間やサービス内容の違いがあったり、人によって考え方は違うものです。

単発サポートの流れ

税理士業における単発サポートのサービスとしては、顧問契約以外のものになるので、範囲は幅広くなります。

私が掲げている単発サポートのサービスとしては、

　単発税務サポート

　個別コンサルティング

　確定申告サポート

　融資サポート

があります。

これ以外にも、税理士会や納税協会から委託を受けて税務相談や記帳指導などを請け負うこともあります。

基本的には、時間制になっていて、30分や1時間という単位で面談時間を設定しているということが多いです。

税務相談であれば、大まかな流れとしては、

　①相談内容確認
　　↓
　②関連情報の取得
　　↓
　③対応策等の検討
　　↓
　④回答
　　↓
　⑤補足

というところでしょうか。

こうしたサービスを無料で提供するか、有料とするかというのは、場合によります。

ここで言う無料・有料というのは、相手の方から直接報酬をもらうかもらわないかの違いとして進めていきます。

税務相談であれば、

相談者の方から直接申し込みをいただき、タイムチャージで報酬をいただけば、有料サポート。

税理士会などが主催している税務相談会の当番の委任を受けて、主催者から報酬をいただいていても、相談者の方から直接報酬をいただいていなければ、無料サポート。

この無料サポートと有料サポートの違いによって、そこに掛ける時間の使い方は変わってきます。

無料サポートの場合

無料サポートの場合、事前に得られる情報は限られている場合が多いです。

無料の税務相談の場合であれば、開催している時間帯が決められていて、その間であれば、どなたでも好きな時間に来られるということもあります。

そうすると、その場で初めてお会いする方に一からお話を伺うことになります。

場合によっては、事前予約制であらかじめお名前や相談内容などが分かる場合もありますが、自分自身でヒアリングしたわけではないので、内容についてはタイトルが分かっているぐらいのイメージです。

自分で直接無料サポートを提供する場合であれば、事前に詳細な情報を取得することは可能です。

しかしながら、私の場合、直接の無料サポートは提供していません。

無料・有料の是非については、色んな考え方があるとは思いますが、私の場合は、有料サポートとの違いが作りにくいなどの理由で、提供しないことにしているところです。

このように、事前に情報を取得出来ないとなると、事前に準備することがほとんど出来ません。

面談が始まらないと、サービス提供が始められない。

どうしても面談時間という枠の中で、サービス提供を考える必要があります。

それがダメなわけではもちろんありません。

サービスを提供する側としては、時間を制限することで、必要以上に労力を割かずに済むというメリットもあります。

しかしながら、サービスを受ける側としては、満足出来るところまでサービスを受けられないことが起こり得ます。

この辺りが無料サポートの限界でもあり、このバランスが極端に崩れると、どちらかにひずみが生じていることになります。

有料サポートの場合

有料サポートの場合には、面談時間というのを、サービス提供の一部と捉えることが出来ます。

やり方は人それぞれですが、申し込みの段階からサービス提供を始めるというところでしょうか。

税務相談の大まかな流れを例にすると、

　①相談内容確認
　　↓
　②関連情報の取得
　　↓
　③対応策等の検討
　　↓
　④回答
　　↓
　⑤補足

これらの順番やタイミングをズラして実施することが出来ます。

　
　①相談内容確認
　　↓
　②関連情報の取得
　　↓
　③対応策等の検討

これらを面談前に行うことで、面談の際に、

　④回答
　　↓
　⑤補足

に掛ける時間を多く取れるようになります。

場合によっては、面談後にも補足としての情報を提供することも可能です。

もちろんこれらはあくまで一例なので、事前に全ての相談内容が把握出来て、対策等の検討が出来ることばかりではありません。

それでも、面談時間をより有効に使えるという方向性は間違っていないでしょう。

少なくとも、相談内容の確認だけで、面談時間が終わってしまったということは防げます。

単発サポートが有料であることに抵抗がある方というのは一定数おられます。

考え方は人それぞれなので、それが良いとか悪いとかではないですが、無料サポートと有料サポートでは時間の使い方が違うんだなというイメージが付けば判断し易いかなと思います。