事業融資は上手くいかない時のことも想定しておく
事業をしていく中で、銀行などの金融機関から融資を受けるというのは、一つの手段となります。
特に、個人事業主や中小企業にとっては、上手く融資を活用することで、事業展開の幅が広がることも。
事業を立ち上げる場合の創業融資であれば、その資金がなければ、思うように事業を始められないこともあります。
誰でも失敗する前提で事業を始めることはないでしょうが、上手くいかない時のことも想定しておきたいところです。
計画を立てる
事業の融資を受けるということは、簡単に言えば、第三者にお金を借りる、ということになります。
善意だけでお金を貸してくれる人もいるでしょうが、多くの場合は、貸したお金をきちんと返してもらえるように、何らかの条件を付けるものです。
返済方法・返済期限・利息など、お互いの確認のために契約書などの書面に残しておく。
そうした条件を決めるためには、借りる側から返済のための計画を提示してもらうことが多いでしょう。
事業に関するものであれば、事業計画になります。
まずは、言葉で計画の説明をするところから。
事業計画と言うと、数値面が先行しがちですが、内容を言葉で理解してもらうことが大事です。
なぜお金を借りたいのか
そのお金を何に使うのか
そこから何が生み出されるのか
・・・
自分が頭で思い描いていることを文章化するというのは、計画内容の整理の意味でも有用な手段となります。
そこから、数値面の事業計画に落とし込んでいきます。
いくらお金を借りるのか
いついくらお金を支払うのか
そこから売上がいくら増えるのか
・・・
事業計画には、画一的な書式というものは決められてはいませんが、貸す側が判断するための情報が盛り込まれている必要があります。
売上がいくらあって、経費がこれだけかかって、利益はこれだけ残る。
そうした情報を元に、実際のお金の動きと連動させると、お金の収支がこうなる。
こうした情報を月単位・年単位で示すことが一般的ではあります。
夢や希望を抱いてみる
事業計画の段階で、上手くいかない前提の話であれば、誰もお金を貸してくれないでしょう。
もしかしたら上手くいくかもしれない、というニュアンスでもなかなか難しいところです。
事業でお金を借りて、何かをしようとしているのですから、こういうことをしたい!という夢や希望は何かしらあるはずです。
まずは、夢や希望を素直に盛り込んで文章化することから始めるのも一つの方法です。
新しい商品を作るために、この設備が必要。
この設備で新しい商品を作れば、売上がこれだけあがる。
利益もこれだけ増えるので、充分に元は取れる。
そこから、その内容を数値に落とし込んでみる。
設備を3,000,000で購入
1日に100個作れるとして、単価@100で、売上は10,000
1ヵ月で売上300,000
1年で売上3,600,000
かかる経費や借りたお金の返済を考えても、充分に返済可能。
数値で見るだけであれば、特に問題はないように見受けられます。
しかしながら、実際にはこう上手くいくとは限りません。
最悪の場合も考えてみる
実際に事業をしていると、想定を超えることもありますが、想定通りにいかないことの方が多いでしょう。
過去の実績がどれだけあっても、同じようにはいかないことも。
1日に100個作れると思っていたら、90個しか作れない
1日に100個作れても、全部は売れない
・・・
思うように売上があがらないことで、余計な経費がかさみ、利益が残らないことも。
そうした場合に備えて、最悪の場合も想定しておくことが必要です。
事業融資3,000,000を受ける
設備を3,000,000で購入
新しい商品が全く売れず、売上はゼロ
そうなった場合でも、事業融資3,000,000の返済が出来るかどうか。
返済期間が5年であれば、
返済額 元金600,000/年+利息
元金50,000/月+利息
返済期間が10年であれば、
返済額 元金300,000/年+利息
元金25,000/月+利息
他の事業の売上から返済出来るのであれば、事業を継続することが出来ます。
これが創業融資で、他に事業の収入がなければ、手元のお金が尽きてしまうと、事業を継続することは出来ません。
自己破産などの手続きもありますが、事業を廃止して、サラリーマンとなって給与から返済していく道もあります。
その時に、月いくらであれば給与から返済出来るのか。
元々の返済期間が長い方が月々の返済金額は減ることになります。
最初から上手くいかないことを前提にする必要はありませんが、最悪の場合も考えて、返済条件などを検討しておいて損はないでしょう。
おわりに
私自身も独立開業するときには、事業計画を立てました。その時は、こうなればいいなぐらいのものでしたが、今のところそれに近い数値で推移しています。文章や数値にするということは大事なんだなと改めて実感しているところです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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