ツールによって伝え方を変える

人とのコミュニケーションの手段は色々なツールがあり、仕事でもプライベートにおいても、その使い分けが必要になってきています。特に仕事においては、伝え方を間違えると上手くコミュニケーションが取れずに、業務が滞ることにもなりかねません。今回は自戒の意味を込めたお話です。

相手に情報を送ることをメインに考えると

私が社会人となった20年程前には、仕事における連絡手段は、電話・FAXがメインで、メールがその補助的な役割を担っていました。それこそ、メールを送ったことを電話で確認するようなイメージです。

今でこそ、電話は相手の都合を考えずに時間を奪ってしまうことがある、のような話が出来るようになりましたが、当時は電話しかないのだから、色々と思うところがあっても、そのツールを否定する程でもないので、時間を奪う・奪われるというデメリットを享受しながら、時間・場所の制約が少ないメリットを優先させて、電話を選んでいたように思います。

当時の仕事量が少ないとは思わないのですが、今よりもアナログな仕事のやり方であったことは間違いないため、一つの業務に今よりも多くの時間がかかることもあり、その分待ち時間など合間の時間も結構あって、イメージ的にはゆったりしている時間もあったなという印象です。

そんな環境から仕事をスタートさせていることもあり、メールが主流となってくると、仕事のやり方も変わってきました。説明用の資料を添付して、まとまった文章を送っておくことで、リアルタイムでなくても、相手とコミュニケーションを取れるということは非常に便利で画期的でした。電話を掛けても、不在・通話中などで、繋がらずに、折り返しいただいても、こちらも出れずに、翌日に持ち越しのような時間のロスがなく、効率的にも思えます。

もちろん、まとまった文章を書くという作業が必要になり、話せばすぐ終わることも、文章で説明しようとすると長くなってしまうなど、別で時間がかかることもあります。相手にとっても、メールの内容を読む時間が必要であり、疑問や確認事項などがあれば、質問を返信するなど、何度かやりとりが必要となる場合があります。

メールのやりとりが頻繁になってくると、メリットと感じていたタイムラグがデメリットと感じられることもあります。そういったメリット・デメリットを一部解消できるツールとして、最近ではビジネス目的でも、チャットツールが導入されています。

LINEなどチャットツールの普及は、SNSの普及と同様に、急速に広がって、今ではメールを凌駕する程です。実際、自分の子供含めた10代ぐらいの人達であれば、いわゆる「Eメール」というもの使ったことがない、もしくは、知らないという人もいるでしょう。

チャットツールは、今話しているかのようにメッセージを送れるというリアルタイム性が一番の強みですが、画像や文書データなども送付出来るなど情報伝達手段として活用することも出来ます。

自分本位になっていないか

私自身も、仕事において、情報伝達・コミュニケーションのツールとして、メールだけでなく、チャットツールを利用するようになりました。

特に、税理士として独立開業してからは、仕事のスピード感も重視しており、メールでの連絡には積極的でない方でも、LINEなどのチャットツールであれば、やりとりがし易いなどもあり、積極的に活用するようにしています。

チャットツールの使い方として、仕事においては特に、コミュニケーションというよりは情報伝達の手段として使うことが多く、メールを送るかのようにチャットツールを使うことが多くなっていました。

情報量が多いと、自然と文章が長くなってしまい、最初は気になっていたのですが、その内に仕事の内容だからと割り切るようになりました。

どうしても丁寧に説明を加えようとすると、長文になってしまう。それでも必要な情報は網羅しているのだから、相手には伝わっている、そう思い込んでいました。

ツールによって伝え方を変えることで、コミュニケーションが円滑に

そんな調子でいると、その内に相手から返答がだんだん無くなってくるようになりました。依頼したいことが3つあって、返答を求める内容であっても、返答自体がない。もしかしたら、忘れているのかもしれないと思い、以前送った内容について分かりにくければ説明しますので、とまたメッセージを送っても、反応がない。

それでも、他のちょっとしたやりとりでは、相変わらず素早い反応があって、明確な回答が返ってくる。最初は、無視されているのかと思い、勝手に憤慨していましたが、よくよく考えてみると、思い当たる節がありました。

チャットツールでメールのように長文でお伝えした内容については、反応がすこぶる悪い。しかしながら、一つの質問に対しての回答は素早いし、すぐ分からないことでも、後日きちんと確認して回答がある。おそらく、長文であると読む気がしないなどで、内容を確認されていないのだと思います。

もしかしたら、それは内容を確認しない相手が悪い、と思われる方もいるかもしれません。しかしながら、ツールの使い方を間違っていることで、コミュニケーションを取れなくしているのは、こちらであり、その努力を怠っていることが原因と考えられます。

情報を伝達することに注力し過ぎて、相手とコミュニケーションを取ることを疎かにしてしまったため、上手くやりとりが出来なくなり、必要な情報をもらえなくしてしまっていたのでした。その後、長文の内容を、一問一答のような形で分解して、質問→回答、質問→回答・・・を繰り返すことで、無事に全て確認することが出来ました。

どんな仕事でもそうですが、相手がいる場合には、いかにコミュニケーションを取り易くするためのツールを選んで、使いこなすかが大事なのだと思います。

おわりに

人との関わりの中では、常に自分本位になっていないか、確認をしおきたいところです。最近も、身近な人からお叱りを受けて、最初は素直に受け止められなかったのですが、何とか飲み込んで消化することで、指摘を受けれてよかったと思えるようになりました。そういった存在は貴重で、これからも大事にしないといけないと改めて思います。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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