月次資料を準備するときの目安~来年の確定申告に向けて月次損益からはじめる~

経営情報の一つの指標として、月次ベースでの損益がよく使われています。いわゆる月次損益と呼ばれるものです。月次損益を把握するためには、自社で経理を行っているにしろ、税理士等に記帳代行を依頼しているにしろ、その元となる資料の準備が欠かせません。

今回は、月次資料を準備するときに、イメージしておくと分かりやすくなる目安について取り上げてみました。月次損益を把握することで、確定申告に向けた準備も事前に行うことが出来ます。今年は出来ていなかったとしても、来年1月から新しい年がはじまりますので、今から始めておくと来年スムーズに申告まで進むことが出来ます。

月次処理に必要なもの

いわゆる月次損益を把握するというと、売上・仕入・経費等を集計し、概算で税金を加味して差引で利益を計算するということをイメージされる方が多いかもしれません。

もちろんその方法で大きな問題はありませんが、物理的に集計対象とする請求書や領収書などの数が増えてくると、集計ミスや集計漏れが発生する可能性が高くなります。

集計ミスについては、今の時代であれば、手集計ではなく、システムを使ってデータの取り込みや集計をすることで防ぐことは可能ですが、集計漏れについては、いくら高性能なシステムや仕組みを使っていたとしても、集計するということ自体の指示が漏れてしまえば、ミスは起こりえます。

こういったミスなどを防ぐために、売上・経費などの項目を直接集計していくだけでなく、現金や預金などの入出金の動きを見ていくという視点も必要となります。

 

会計処理を効率よく進めていくための月次資料の準備という観点からは、このいわゆるB/S(貸借対照表)を中心に準備していくのが有効な手段となります。

B/S(貸借対照表)の視点から

「資産」「負債」「純資産」というざっくりした分け方では分かりにくいので、もう少し具体的な項目に細分化して考えます。
あくまで一例ですので、事業形態によってそれぞれ項目は変わります。

現金であれば、その入金・出金の動きが分かるものとして、現金出納帳などがあげられます。クレジットカード以外のキャッシャレス決済を使用している場合には、その支払明細などがあれば、入出金を把握することが出来ます。

作業の効率化を図るのであれば、領収書をただ集めるだけでなく、日々Excelなどに入力しておく、スマホのアプリで出金記録を登録しておくなど、データ化していれば後々の会計処理の手間暇も減らすことが出来ます。スマホのアプリでの記帳については、以前の記事でも取り上げています。

現金出納帳をスマホアプリ「家計簿Zaim」で作成する


預金であれば、預金の入金・出金の動きが分かるものとして、通帳があげられます。最近では、インターネットバンキングの普及によって、ネットからデータ出力が出来たり、直接会計ソフトにデータを取り込むことも出来ます。日々の通帳データの取り込みなどについては、以前の記事でも取り上げています。

経理を毎日クラウド会計で行う場合の一例


その他の項目についても、毎月は出てこない項目であっても、必要な資料のイメージをしておくと、たまに出てきたときでも判断し易くなります。

P/L(損益計算書)の視点から

B/S(貸借対照表)の視点から月次資料の準備を行うとはいっても、もちろんP/L(損益計算書)の視点も大事です。売上という項目を更に分類して把握したりするために、補足的な資料は必要となります。

P/L(損益計算書)についても、「収入」「費用」の項目を細分化して把握します。
こちらも、あくまで一例ですので、事業形態によってそれぞれ項目は変わりますが。

月次損益を把握するためには、入出金のタイミングだけでなく、その損益がいつ発生したかで集計していく必要があります。どの月で発生して、どの月に入出金があったのか、その両方を把握することとなります。

そのためには、例えば、売上の請求をいつしたのかなどの情報が重要です。給与ではあれば、いつ支払っただけでなく、どの月の分の給与なのかで利益が変わってきます。これらのことを補足的に考えるために、それぞれの資料を準備することが必要となります。

おわりに

月次資料を準備するときには、リスト化して管理するという方法もあります。しかしながら、毎月同じものばかりではなく、日々新しい取引などが出てくる場合には、そのリストの管理が煩雑になってしまいます。

ある程度は、リスト管理しつつ、根本的な考え方のイメージを持ちながら、資料をより分けておくということが必要です。


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この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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