法人の決算申告書の作成方法の選択肢
個人で確定申告書を作成する際には、比較的自分で作成されていることが多くなってきました。
パソコンやスマホを利用して行うe-Taxが普及してきていることもその一因でしょう。
特別なソフトなどを自分で用意することなく、国税庁のホームページから「確定申告書等作成コーナー」を無料で利用出来て、使い勝手が良くなってきたと言われているのも大事な要素です。
ふるさと納税した時の確定申告を「確定申告作成コーナー」で作成する
住宅ローン控除1年目の確定申告を「確定申告作成コーナー」で作成する
医療費控除の確定申告を「確定申告作成コーナー」で作成する
法人の場合には、少し事情が変わるところがあります。
なお、これらの情報は、2022年7月25日現在の状況となりますので、最新情報は、リンク先の情報等も合わせてご確認されますようご留意ください。
法人の決算申告書の概要
個人の確定申告においては、所得税の確定申告書を作成して、管轄の税務署に提出することになります。
そこから、お住まいの市町村に住民税の申告に必要な情報が共有され、個人で事業をされている場合には、管轄の都道府県に個人事業税の通知に必要な情報が共有されることになります。
個人事業を行っている場合、確定申告に関連する主な税目としては、
所得税(税務署)
消費税(税務署)
住民税(市町村)
個人事業税(都道府県)
が挙げられます。厳密な名称や税目は状況により変わることがあるので、簡略化して記載しています。
ポイントは、所得税の確定申告書を税務署に提出すれば、それぞれの税目に必要な情報は、基本的に税務署から回っていくというところです。
もちろん、個別に申告が必要な場合もありますが、それは個別事情によるところが大きいものです。
法人の場合の、主な税目としては、
法人税・地方法人税(税務署)
消費税(税務署)
法人都道府県民税(都道府県)
法人事業税(都道府県)
法人市民税(市町村)
などが挙げられます。
事業の状況によっては、提出不要な場合もありますが、基本的には、それぞれ所定の申告書を、それぞれの提出先に提出する必要があります。
まずはこの辺りの認識の違いから、法人の決算申告書はハードルが高いと言われるのかもしれません。
自力で作成する
法人税・地方法人税の申告書については、国税庁のホームページでその内容が案内されています。
国税庁ホームページ
法人税及び地方法人税の申告(法人税申告書別表等)
必要な別表等の書式などもダウンロードして利用することが出来ます。
国税庁ホームページ
令和4年4月以降に提供した法人税等各種別表関係(令和4年4月1日以後終了事業年度等又は連結事業年度等分)
これらの書式は、法人を設立して、設立届などを税務署に提出していると、決算の時期に紙でも郵送されてきます。
上記の図は一部ですが、別表の種類などは申告内容に応じて、数多く用意されています。
これを税務の知識がほとんどない状態で、一から作成するというのはかなり難しい場合が多いでしょう。
最近では、freeeなどの会計ソフトと連動して申告書作成が出来るというものも出て来ており、上手く活用することで、自力で作成するためのハードルは下がりつつあるともいえます。
色んな考え方がありますが、自力で法人の決算申告書を作成することは不可能ではないですが、最低限必要な知識というのは身に付けておく必要があるというのが、実感するところです。
税務署に相談する
税務署に提出する書類であれば、税務署に聞けば教えてくれるのでは?と単純に考えることも出来ます。
もちろん、質問内容によっては丁寧に教えてくれることもあります。
しかしながら、基本的には、申告納税制度のため、自主的に作成することが前提とされています。
必要な情報は、チラシや手引きなどで公開されていて、詳細な内容については、税法や通達などから自分で判断していくことになります。
極端な言い方をすれば、質問に対して直接回答するというよりも、どこに書いてあるかを教えてくれる、というようなイメージでしょうか。
場合によっては、柔軟に対応方法などを案内してもらえることもありますが、いつでも親切に一から十まで教えてもらうというのは難しいでしょう。
例えば、自分で会計仕訳を入力して作成した財務諸表などを持参して、法人税の申告書の別表の作成の仕方を相談したとしても、一から数字を当てはめて一緒に計算するということは、時間的な制約もあり、難しいでしょう。
自分で知識を得ながら、申告書の作成に取り組んでおり、この別表のこの部分が分からない、というような内容であれば回答が得やすいと考えられます。
それでも、税額が変わってくるような選択肢を積極的に提示するということはないので、自分で判断するだけの知識と情報が必要となります。
税理士に相談・依頼する
税務に関わる相談などであれば、税理士に相談するという方法もあります。
有償か無償かの違いはありますが、相談する先を選ぶことも出来ます。
法人の申告書の作成については、顧問契約を締結していて、毎月の顧問料を支払いながら、月次決算を進めておき、その延長線上で決算申告を行うという場合が多いです。
場合によっては、申告書の作成のみを請け負うサービスを提供しているところもありますので、毎月の会計仕訳などは自分で入力していて、申告書の作成だけを依頼したいという場合には、スポット的に依頼することも出来ます。
しかしながら、税理士等の署名を入れて申告書を提出する場合には、申告書の内容だけでなく、その元となった財務諸表の内容を含めて確認する必要があります。
会計仕訳の入力は自分で行っているといっても、その内容が大幅に間違っているなどであれば、間違い探しから内容の修正作業などが必要となってくるため、余計に手間暇がかかる場合があります。
依頼する側としては、会計入力は終わっていて、申告書を作成するだけなので、報酬は安くなるはず、という思惑があっても、実際には報酬が高いと感じてしまうような、認識の差が生まれることもあったりします。
税理士に依頼する時には、申告期限までの時間的な余裕であったり、報酬体系など、事前に確認しておく方が有用です。
おわりに
システム化が進んで、何でもすぐに簡単に出来る、というのは理想ではありますが、現実的には難しい面が多々あります。まずは、仕組みの簡素化が実現出来ないと、なかなか難しいのかなと思うところです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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