儲かるラーメン屋さんとつぶれるラーメン屋さんの違い

ラーメン屋さんの税務会計のサポートの一環として、小規模な事業者の方に向けて専用のサービスメニューを掲げています。

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こうした内容を掲げていると、ラーメン屋さんに関する記事の執筆依頼が来ることもあります。

つい先日も、ネット記事の執筆についてのお問合せがありました。

条件面など含めて総合的に判断して、お受けしないことになりましたが、こうした内容への需要というのは一定程度あるのだと改めて認識した次第です。

そこで、新たにカテゴリ「ラーメン屋さんの経営」を新設して、ラーメン屋さんの経営に関する内容を不定期で発信していくこと思い立ちました。

第1回目は、上記のネット記事執筆の依頼があったときに例として挙げられていた「儲かるラーメン屋さんとつぶれるラーメン屋さんの違い」について取り上げてみます。

売上が足りているか足りないか

ラーメン屋さんを経営していて、その事業が上手くいっているかどうかの判断は難しいものです。

行列が出来ている、メディアで取り上げられている、味の評判が良い、など色んな指標があって、どれを重視するかというので変わってくるものでしょう。

ただ、事業を継続することが前提ではあるので、儲かること、ひいては、つぶれないことというのが大事になってきます。

では、儲かるとはどういうことか?つぶれるとはどういうことか?

これまた色んな定義がありますが、売上が足りているか足りないかというのが一つの指標になります。

事業を行うためには、お金が掛かります。

お店の場所を借りるために、家賃を支払う。

ラーメンを作るために、材料を買う。

人を雇って、給与を支払う。

・・・

それらを支払えるだけの売上がないとお店が回っていきません。

じゃあ、どれぐらいの売上があれば、足りているといえるのか。

ラーメン屋さんに限らずですが、一般的には損益分岐点売上高というのが目安となります。

損益分岐点売上高については、別の記事でも取り上げていますので、詳細はそちらをご参照ください。

 損益分岐点売上高と資金収支分岐点売上高を目安にする

ざっくり言えば、掛かる費用から逆算して必要な売上を計算する、というところです。

 原価率 30%

 固定費 70

であれば、損益分岐点売上高は100となります。

 損益分岐点売上高=固定費÷(1ー原価率)=70÷(1-0.3)

これだけだと、固定費に含まれないものは加味されないため、掛かる費用を全て賄えない場合があります。

利益として残す分であったり、個人事業主の場合であれば、給料に相当するものが加味されていないので、これだけでは売上が足りません。

そこで、もう一歩踏み込んで、資金収支分岐点売上高というものを考えます。

こちらも、別の記事で取り上げていますので、詳細はそちらをご参照ください。

 損益分岐点売上高と資金収支分岐点売上高を目安にする

ざっくり言えば、掛かる費用に他の要素も加味して、必要な売上を逆算することになります。

 原価率 30%

 固定費 70

 利益  70

とした場合、資金収支分岐点売上高は200となります。

 資金収支分岐点売上高=(固定費+利益)÷(1ー原価率)=140÷(1-0.3)

 

こうして算出した必要な売上高に現状足りているか、足りないか。

そうした把握から経営が始まるとも言えます。

資金が足りているか足りないか

売上の把握はしっかり出来ていて、それぞれの分岐点売上高も何とか超えているけれど、資金が足りない。

お店がつぶれるという状況の定義は色々ありますが、事業を続けるための支払が出来なくなった時というのが一つの目安になります。

売上は足りているはずなのに、今月のお店の家賃が支払えない。

こうなると、事業を継続するのが難しくなります。

極端にいえば、売上が足りていなくても、貯金が潤沢にあれば、事業を継続することは出来ます。

ただ、儲かっているわけではありませんし、現実的ではありません。

利益と入ってくるお金は完全には一致しないので、まとまったお金を資金として準備しつつ、売上から資金を貯めていく必要があります。

まとまったお金を準備するには、金融機関から融資を受けるという方法があります。

借金というと良いイメージを持たれないこともあるかもしれませんが、事業を継続していくために上手く活用することも経営における選択の一つです。

融資を受ければ、返済と利息の支払がありますが、それも含めた分岐点売上によって、先々の見通しを立てることも出来ます。

返済条件などは検討する必要がありますが、数値に落とし込んで把握するとイメージし易いかもしれません。

 事業融資の返済条件を具体的な数値で把握しておく

まとまったお金の目途が立てば、後は売上から資金を貯めていくことになります。

その時には、売上の入金方法について検討しておくことをおススメします。

お金と一括りにしても、決済方法など様々な選択肢が出て来て、その対応によって売上に影響が出て来ることもあります。

そうした把握をすることも大事になってきます。

 売上を入金方法で分類しておく

今資金が足りているか足りないか、今後資金が足りているか足りなくなるか、こうした把握が出来ているかというのが一つの分岐点にもなり得ます。

人が足りているか足りないか

売上も足りていて、資金も足りている。

それなのに、事業が継続出来ないことが起こり得ます。

その一つは、人が足りなくなった時。

お客さんは来てくれるのに、人手が足りなくて、お店が回らない。

そうすると、売上が下がってきて、資金が減ってくる。

そのうち、売上が足りなくなって、資金が足りなくなってくる。

極端な話ではありますが、つぶれてしまうお店に共通している部分ではあります。

複数店舗を経営していて、別のお店を人に任せている場合などは、その人がいなくなれば店舗自体を閉鎖しなくてはいけなくなることもあります。

続けるにしても、その店の売上が足りなくなることで、資金が足りなくなることもあるでしょう。

そうすると、足りなくなった資金を他のお店の資金から補填することになり、全体の資金が足りなくなる状況も想定されます。

いやいや、自分のところは店舗は1つで家族経営だから大丈夫だろう、と思われるかもしれません。

しかしながら、もしもご自身がお店に立てない状況になったらどうなるか。

そうしたことに備えていれば、人が足りているともいえます。

考えたこともないというのであれば、人が足りていない状況と同じかもしれません。

人が足りている状況を作るというのは儲かるラーメン屋さんの最低条件ともいえます。

おわりに

数値の把握などは自分でも出来ることですが、固定費として一部を外部委託することも一つの方法です。どれが正解というのはないので、自分に合った方法を選択するのが大切になってきます。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

この記事を書いている人

エフティエフ税理士事務所
代表 税理士
藤園 真樹(ふじぞの まさき)

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