源泉所得税の不納付加算税の宥恕規定を確認しておく
税金の納付については、期限が決まっていることが基本になります。
その期限を過ぎてしまったら、ペナルティが課される、というのは決して嬉しいものではないですが、仕方ないと納得させることが出来るかもしれません。
しかしながら、自覚していなくても、思わぬところでペナルティが課せられることもあるので、注意しておきたいところです。
今回は、源泉所得税の不納付加算税について、取り上げてみます。
なお、これらの情報は、2023年3月13日現在の状況となりますので、最新情報は、リンク先の情報等も合わせてご確認されますようご留意ください。
源泉所得税の不納付加算税の概要
源泉所得税の不納付加算税については、国税通則法で、その取扱いが定められています。
e-GOV法令検索
国税通則法
(不納付加算税)
第六十七条
ざっくり言えば、定められた期限までに納税しなければ、不納付加算税というペナルティが課されるというところです。
自分で気付いて納付すれば納税額の5%、税務調査等で指摘されて納付したら納税額の10%というように分けられています。
財務省のホームページに表でまとめられているものがあり、こちらの方が分かり易いかもしれません。
財務省ホームページ
納税環境整備に関する基本的な資料
加算税の概要
源泉所得税の納付期限については、別の記事でも取り上げていますので、そちらもご参照ください。
宥恕規定
納付期限に遅れれば、ペナルティがある、というのは仕方ないとして、納税しようと思っていたけれど、事情があったりで、ちょっと遅れてしまった場合も同じように取り扱うのか。
そうした場合には、条件がありますが、宥恕規定が定められています。
e-GOV法令検索
国税通則法
(不納付加算税)
第六十七条
財務省ホームページ
納税環境整備に関する基本的な資料
加算税の概要
正当な理由があった場合は別として、法定納期限までに納付する意思があったかどうかは、ざっくり言えば、過去1年の実績で判定することになります。
e-GOV法令検索
国税通則法施行令
(期限内申告書を提出する意思等があつたと認められる場合)
第二十七条の二
また、不納付加算税の金額が5千円未満であれば、端数として切り捨てられるので、不納付加算税は課されないことになります。
e-GOV法令検索
国税通則法
(国税の確定金額の端数計算等)
第百十九条
思わぬところで源泉所得税の不納付加算税が課される場合
例えば、
源泉所得税の納付額 500,000円
令和4(2022)年7月11日(月)が納付期限
※7月10日が日曜日のため、翌営業日が納付期限。
単純に手続きを忘れていて、令和4(2022)年7月12日(火)に納付した場合。
今回のように、納付期限を過ぎての納付はこれまで1度もしたことがない。
その場合であれば、源泉所得税の不納付加算税は課されません。
これが、令和5(2023)年1月10日(火)納付期限の源泉所得税の納付も、法定納付期限を過ぎてしまった場合には、過去1年以内に納付が遅れた事実があるので、不納付加算税が課されることになります。
ただし、源泉所得税の納付額が10万円未満であれば、端数切捨てで、この場合も源泉所得税の不納付加算税は課されません。
こうしたうっかりで納付期限を過ぎてしまったことがなくても、不納付加算税が課される場合があります。
例えば、下記の記載例で考えてみます。
国税庁ホームページ
令和4年版 源泉徴収のしかた
○給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納付書)の記載例(PDFファイル/453KB)
「税理士等の報酬」で、令和3(2021)年11月と12月分の申告・納付が出来ていなかったので、今回の令和4(2022)年1~6月分の源泉所得税の納付を令和4(2022)年7月11日(月)の法定納付期限内で納付していた場合。
一見すると、法定納付期限に遅れた事実はないように思えます。
しかしながら、税務署側では、「税理士等の報酬」の令和3(2021)年11月と12月分の申告・納付については、法定期限を過ぎているので、納付遅れの事実が記録されることになります。
そうすると、令和5(2023)年1月10日(火)納付期限の源泉所得税の納付が法定納付期限を過ぎてしまった場合には、過去1年以内に納付が遅れた事実があるので、不納付加算税が課されることになります。
予期せず、源泉所得税の不納付加算税の通知書が届いた場合には、こうしたところも確認しておく必要があります。
おわりに
法定納付期限を過ぎないことが一番ではありますが、宥恕規定があるからと思っていると、思わぬところで不納付加算税が課されることがあるので、注意が必要です。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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