医療法人がコロナ関係の補助金等を受取った時に最低限チェックしておくこと
2020年に始まる新型コロナウィルス感染症の感染拡大によって、事業に影響を受けている事業者は多くあるでしょう。
医療機関においても、例外ではありません。
それらを完全に補完することは無理でも、出来るだけその影響を軽減するために、国や地方自治体から補助金等を支給する施策が行われています。
今回は、それらの補助金等を受給した事業者側の処理として、医療法人で最低限気を付けておきたい点について、法人税・法人事業税・消費税の3つの視点に絞ってまとめてみました。
これらの情報は、2022年05月30日現在の状況となりますので、最新情報は、リンク先の情報等も合わせてご確認されますようご留意ください。
法人税
コロナ関係の補助金としては、主に下記のような意味合いの分類があると考えられます。
・売上の補填
・利益の補填
・経費の補助
・固定資産購入の補助
・・・
基本的には、お金を受取ることになるので、収入として計上し、所得(利益)がある場合には、法人税が掛かることとなります。
まず、問題となるのは、
申請した日
支給することが決まった日
実際に支給された日
が法人の事業年度を跨ぐような時に、どの事業年度の収入とするかというところです。
その辺りの考え方については、国税庁のホームページにQ&Aという形で公開されています。
国税庁ホームページ
国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ
基本的な考え方としては、「支給することが決まった日」をベースに収入として計上することになりますが、補填対象となる経費や固定資産が明らかな場合には、それらの費用等と対応させることになります。
国税庁ホームページ
国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ
4 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係
圧縮記帳を行う場合には、税額控除との関係も考慮した上で、判断する必要があります。
以前の記事では、IT導入補助金を受けた場合について取り上げていますが、基本的な考え方は同じになります。
IT導入補助金を受給した場合の税額控除と圧縮記帳の選択について
消費税
基本的に、消費税は資産の譲渡や役務の提供の対価を得た場合にかかるものとなります。
そのため、対価として支給されたわけではない補助金等には消費税はかかりません。
国税庁ホームページ
国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ
4 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係
医療機関の場合、ワクチン接種を行う側として、接種を受けた本人からではなく、国や地方自治体から接種料を受け取る場合があります。
新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種については、2022年5月30日現在で、本人負担はない状態です。
その場合でも、ワクチン接種という役務の提供に対する対価ということで、消費税がかかることになります。
国税庁ホームページ
国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ
4 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係
ワクチンの接種自体は、役務の提供の対価ですが、ワクチン接種事業を請け負う医療機関を増やすために、都道府県などが行う「週100回以上又は150回以上などの個別接種促進の支援」など接種回数に応じた割増の支援金などは、役務の対価ではないため、消費税はかからない(不課税)と考えられます。
法人事業税
医療法人の場合、法人事業税は、診療報酬に係る所得(利益)に対してはかかりません。
その診療報酬に係る所得(利益)の計算の際に、補助金等の金額を分類する必要があります。
その辺りの内容については、別の記事で取り上げていますので、そちらをご参照ください。
医療法人における法人事業税の計算の注意点
都道府県によって、取り扱いが違うところもありますが、きちんと分類しておかないと税額に影響する場合があるので注意が必要です。
ただ、分類について、詳細な情報が公開されているわけではないので、個別に都道府県税事務所に確認するのが一番確実な方法になります。
その際にも、先に挙げた補助金等の分類、
・売上の補填
・利益の補填
・経費の補助
・固定資産購入の補助
・・・
が明確でないと判断出来ない部分があるので、事前の内容確認は必須となります。
おわりに
決算のタイミングで補助金等の内容をまとめて確認することも出来ますが、複数の補助金を申請していると、どれがいつの入金などが分からなくなっている場合もあります。
出来るだけ、申請・決定・入金のタイミングでその都度内容確認しておく方が後々役に立つものです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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