クレジットカードの未払残高を合わす時のひと工夫
以前の記事で、クレジットカード決済した場合の経費計上について取り上げました。
クレジットカード決済した経費の計上のタイミング
そこでも少し触れましたが、未払計上する時のポイントは、未払残高の把握となります。
今回は、未払残高を合わすというところに絞って取り上げてみます。
クレジットカード決済した経費を未払計上する
・8月15日に事業で利用するコピー用紙を500円で購入し、クレジットカードで決済した。
・クレジットカードの引落は預金から翌月の9月10日にあった。
この一連の取引について、会計仕訳として、
08/15 消耗品費 / 未払金 クレジットカード 500
09/10 未払金 クレジットカード / 預金 500
のように計上するとした場合。
月次決算を行う場合には、月末で一旦区切って、損益状況・財務状況を把握することになります。
クレジットカード決済した経費を毎月未払計上する場合は、下図のようなイメージです。
クレジットカード決済した経費の計上のタイミング
上記のコピー用紙の購入の事例を当てはめてみると、
消耗品費500・・・8月分経費
未払金 クレジットカード500・・・9/10まで未払(8月末時点では未払)
となります。
これだけ見れば、難しいところはなさそうですが、取引数が多くなってくれば、未払残高の管理が必要となってきます
12月末時点で、
未払金 クレジットカード 1,207,984
となっている場合には、その未払がいつ消込されるのか、要するにいつ支払われるかを定期的に時点を決めて把握しておくという流れになります。
決済日ベースで未払計上する
クレジットカード決済した取引を会計仕訳として計上していく方法としては、まず決済日ベースで未払計上するという方法が挙げられます。
前項の例示で挙げたように、
08/15 消耗品費 / 未払金 クレジットカード 500
というような仕訳を取引が発生するたびに、記録していくという方法です。
記録する時に必要となる資料としては、クレジットカード決済した時に、お店でもらうレシートや領収書であったり、ネットショッピングで表示されるページやお知らせのメールなどが挙げられるでしょう。
それらの情報を会計ソフトに手入力することもあれば、最近ではクラウド会計の普及で、クレジットカードの明細データを自動連携して、取り込むということも出来ます。
どちらにしても、未払金として計上するデータを積み上げていくようなイメージです。
この方法であれば、取引が発生する都度処理していくことで、リアルタイムに近い形で経費を把握することが出来ます。
月次決算の精度を高めたり、早期化を図りたいという場合には有効な方法でしょう。
しかしながら、未払残高を合わすという点ではひと手間かかる場合があります。
クレジットカード決済のデータを自動で会計ソフト等に取り込んでいる場合には、タイムラグが起こることがあります。
例えば、ETCカードをクレジットカード決済にしている場合、ETCを利用した日とその利用料のデータが取り込まれる日にタイムラグが生じることがあります。
4月11日に車で高速道路を利用し、ETC利用料930円がクレジットカード決済された。
04/11 旅費交通費 / 未払金 クレジットカード 930
本来であれば、その翌日にはデータとして取り込みしたいところですが、実際に会計ソフト等に取り込めるのは、タイムラグがあったりします。
場合によっては、データが反映されるのが翌月になることも。
もちろん日付は決済された04/11のままではありますが。
こうしたケースが入り組んでくると、
未払金 クレジットカード 500 ・・・ 4月10日引落
未払金 クレジットカード 930 ・・・ 5月10日引落
・
・
・
未払金 クレジットカード 620 ・・・ 6月10日引落
個々の明細ごとに、引落日を把握するというような管理が必要となってきます。
クラウド会計など自動取込に対応している場合には、未決済のデータとの照合を補助する機能もあったりしますが、こうした意識は持っておく必要はあります。
もちろん、自動取込しているのだから、漏れや間違いがあるわけない、と言えなくもありません。
実際問題としては、ほとんどのケースでズレが生じることはないのかもしれません。
それでも、人的なミスが起こる可能性をゼロには出来ません。
何よりその整合性を説明できる人がいないということで、おそらく合っているでしょうでは済まされない場面もあります。
この未払金でずっと残っているものはないですか?
と聞かれた場合。
システムで自動的に管理しているので残っているものはないです、では説明になっていません。
未払金100,000円のうち、50,000円は4/10に引落予定、残り50,000円は5/10に引落予定です。
これぐらいの説明が出来れば、だいぶクリアでしょう。
データの取り込みで効率化出来ていても、その管理で手間暇が余計にかかっているかもしれません。
支払確定額から未払計上する
次回の引落額が確定した際に発行されるクレジットカード明細から未払計上するという方法もあります。
下図のようなイメージです。
クレジットカード決済した経費の計上のタイミング
引落日ベースで、クレジットカード明細を未払計上していく。
上の図では、引落日を経費計上の日付として、決算期末に未払計上することを前提にしたものですが、支払確定額を元に未払計上をすることも出来ます。
<クレジットカード明細>
05月10日引落確定額 100,000円
04月03日 A店 50,000円
04月10日 B店 30,000円
04月19日 C店 20,000円
04/03 仕入高 / 未払金 クレジットカード 50,000
04/10 消耗品費 / 未払金 クレジットカード 30,000
04/19 消耗品費 / 未払金 クレジットカード 20,000
05/10 未払金 クレジットカード / 預金 100,000
この場合であれば、支払確定額という残高として合わす数値が明確なため、未払金の残高の管理がし易くなります。
しかしながら、支払確定額が出るまで処理を進めることが出来ません。
紙のクレジットカード明細から仕訳計上している場合には、更にタイミングが遅くなってしまうでしょう。
最近では、クレジットカード明細をWebでCSV形式などのデータでダウンロード出来る場合もあります。
そうすると支払額が確定した時点でデータの取得が可能となり、データの受け渡しなどの手間暇を減らせる場合もあるでしょう。
また、データで取得することで、会計ソフト等への入力の効率化を図ることが出来るかもしれません。
会計ソフトに取り込むデータを準備する
未払残高の把握に苦労している場合には、こちらの方法が合っているかもしれません。
おわりに
どちらが正しいということはありませんが、どちらが合っているかの判断はし易いのかなと思います。
入力するのと残高を合わすのとどちらに手間を感じているかで考えてもみるのもひとつの方法です。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事を書いている人
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藤園 真樹(ふじぞの まさき)
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